明大公開講演会を開催
明治大学公開講演会が11月27日、岡山市中区浜の岡山プラザホテルで開かれました。
明大名誉教授で経済学博士の百瀬恵夫氏が「明大魂と人間力」と題して講演。百瀬氏は大学の校歌ができる際、児玉花外氏が三回手直しをしたなどのエピソードを交え、「権利自由、独立自治など、新たな日本の針路を志向している」「世界一の校歌だ。鮮度は落ちず、古びていない」と強調しました。
OBの政治家や音楽家、スポーツ人らを紹介しながら、「明治出身者はオンリーワン型が多い」「オンリーワンならオンリーワンなりの生き方がある。理念と哲学を持っている」と語りました。
「明治魂とは何か」に触れ、「明治の卒業生は一流大学を出たとは思っていない」「偉ぶらない。人にやさしい。努力する。謙虚。よく働く」「オンリーワンで、個を大切にする」と指摘。「リバティータワーができてから女子高校生の進路希望ナンバーワンにもなった」。「今は汗臭い明大生はいない」と会場を笑わせる一幕も。
「大学に良い指導者がいる。良い文化もある」「魂を持った武士道精神で、平和を愛する。他人をもっと愛する」とした上で「思いやりがあり、人のために尽くす。徹底的に尽くすのが明大生だ」と、後輩に奮起を促しました。
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パネルディスカッションでは、校友会岡山県支部の難波文章幹事長がコーディネーターを務め、IPU環太平洋大学(岡山市)ラグビー部監督の小村淳氏(1992年政経卒)とファジアーノ岡山スポーツクラブ代表取締役の北川真也氏(2003年政経卒)が「『個』を強くする明大魂」をテーマに特別会談しました。
小村氏は明大ラグビー部で1年生からレギュラーとなり、全国大学選手権で3回優勝した経験をもとに「北島先生は『勝て』とは言われない。『練習通りやれ』と言われた。負けても叱られなかった」と振り返りました。
「目標をしっかり立てると、今、何をすべきかが分かる」。「これには北島先生の教え、先輩の指導があった」とラグビーで学んだ経験を話し、「ラグビーは楽しい」。「勝ってこそ、楽しさが出る。ある程度結果が出ることで楽しさを感じる」と、指導者としての心構えも伝授しました。
明大ラグビー部のヘッドコーチなどを務めた後、IPUに来たのは「今まで全国大会に出ていない大学を全国に導くのが目的だ。大学選手権に出て、関東大学対抗戦グループ1位のチームに当たるのを目標にしている」と、今後のIPUの成長を期待してほしいと熱意を込めて訴えました。
北川氏は高校時代、甲子園を目指したものの夢は叶わず、一浪したため明大で野球部には入れず、野球サークルに入り、チーム代表を務めました。「個」は明治で培われたと学生生活を語りました。
現在、J2のファジアーノを率いています。「Jリーグでは親会社がつくチームが増えている。ファジアーノは特定のスポンサーを持たず、670社に運営を支えてもらっている市民・県民クラブだ」。「このクラブがなぜこの地域にあるのかをテーマにチームを運営。岡山市内で25のスポーツ施設も管理し、市民に健康になり、幸せになってもらうよう努めている」と会社の方針を説明。
「ファジアーノでは2週間に1回、1万人を集めるお祭りをやっている。今はコロナの影響で入場者が4000人を切っているが、安全安心なスタジアムをつくり、1日を楽しんでもらえる場を提供したい」。J1に昇格するためには「9割の県民がスタジアムに来るような街のうねりがなければ。県民力を結集しなければならない」と、力強い支援を求めました。